施設長、事務員、保育士・児童指導員、専門職、栄養士・調理員のほか、嘱託医、営繕や調理を担当する非常勤職員で構成され、こども達の安全と健康を守り、能力に応じた教育の実践を心掛けています。
平成以降から、重篤な虐待、発達障がい、知的障がい等のケースが増加し、個別対応支援が求められています。
これらの困難なケースに職員が一丸となって対応し、より安らかに、心豊かに、健康にこども達が育成されるよう努力しています。また、近隣病院との連携を行い、非常勤職員として精神科医を配置し、対応にあたっています。

 

各小舎は、こどもたちと一緒に生活する住込CW(ケアワーカー)2名、通勤CW1名、小舎を管理するホーム長1名の合計4名の職員で支援にあたっています。

1日の業務は以下の通りで、その日に勤務している職員で役割分担をして対応にあたっています。状況に応じてそれぞれ休憩時間を取ります。また、小舎の構成によって時間配分等は変わります。

【朝日課】
(平日)
こども達は6:30に起床するため、その前に朝食を準備し、こども達に起床の声掛けをします。7時頃から朝食、7:30に小舎を出発します。バス停までは職員も付き添います。
こどもたちが登校した後は、家事を済ませて記録や書類作成の時間になります。早く終われば休憩時間が長く取れます。
※あくまで1例です。こどもの構成によって異なります。

【昼会】
毎日11:30から昼会という打ち合わせの時間があります。30分間の昼会では連絡事項やこども対応の報告を行います。昼会終了後は30分間、昼会で報告のあったこども対応についてフィードバックを行います。フィードバックを行うことでより良い援助を皆で出来るよう高めあっています。

 

児童養護施設では、こども達の生活を支援するCWだけではなく、専門職と呼ばれる職員もいます。ここでは主な専門職の役割を紹介します。

○家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)○

虐待等の家庭環境上の理由により入所しているこどもの保護者に対し、児童相談所との密接な連携のもと、電話や面接により、こどもの早期家庭復帰、里親委託等を可能にするための相談・指導等の支援を行っています。

*児童相談所、他関係機関とのアセスメントを軸にケースを構築する

*交流機会の調整(面会、外泊、手紙等)

*親との関係づくり。こどもの学校行事・施設行事への参加

*CSPをベースに具体的なこどもの対応方法を提供

様々な環境がある家庭生活から措置となる施設入所児童の背景を把握し、施設内の児童対応という観点だけではなく、家庭支援として大きな視野で本来ある家庭生活を前進させていくこと、「親子の精神的分離の防止」を念頭に、出来る限りの交流機会を持つことを基本として、家庭再統合に向けた親支援を目指し援助を行っています。

○自立支援担当職員○

今や当たり前のように使われる「自立支援」という語ですが、文字通り「自分で立つ」と、「支えて援助する」と相反する意味が使われています。しかしこの語そのものが、私たち施設職員が継続的に提供する支援となります。
施設に在籍している時から、社会に出ても困らない気持ちの持ち方や振舞い方、生活する力、助けを求める方法を共に学び、社会に出る準備を整えていくお手伝いをします。
そして、社会に出てからも様々な場面(生活場面・公的手続き)で遭遇する事柄への相談を受ける役割を担っています。
そのために、施設職員や外部関係機関と連携を取り、社会資源からの情報共有、活用を通じて、支援を実施しています。

*自立支援計画 ※ アセスメント・年1回の聞き取り・子どもへの説明

*学習・生活支援

*進路支援

*学校・就職先・関係機関との連携

*社会資源の活用・連携

*退所者の状況把握・支援記録

○里親支援専門相談員○

里親委託の推進及び里親支援の充実を図るために以下の業務を行っています。

*自立支援計画で上がった委託候補児を里親委託に繋げる

*里親のニーズを知り、育児家事援助派遣や学習ボランティア派遣などの支援を行う

*施設の機能を生かし、子育て講座やレスパイト等で養育支援を行う

*他機関と連携し、新規里親の普及啓発活動を行う

○心理療法担当職員○

こどもが自分のこころを見つめ、そこにある力や可能性を発見し、それらを育み、自分らしくのびのびと過ごしていけるよう支援しています。

*こどもへの心理療法

*精神科医とのミーティング

*ケアワーカーへのコンサルテーション

〇栄養士〇

こどもの心身の健やかな成長を支援します。日本人の食事摂取基準に基づきこどもに必要な栄養を日々の食事から摂ることができるように献立を作っています。旬の食材や行事食を取り入れ、食事から季節の移ろいや食文化を伝えていきたいと思っています。また個々の嗜好によりそいながら、豊かな食体験の場になるように考えています。

*献立作成

*食材注文

*食品衛生管理

*調理・食事提供

*調理体験等の食育活動

○事務○

お金の面からこどもたちの生活を支援しています。
施設の運営資金の管理を主な仕事としています。毎月の執行状況や資金状況の確認、予算の見直しを行っています。
各小舎に小口現金(家計費)を渡し、食材や日用品、こどもたちの嗜好に合わせた衣類や娯楽品を購入できるようにしているため、小舎ごとに予算を立て、執行状況を確認し、随時予算の見直しを行っています。